=野菜くずを入れて行ってください=
アルミ製品の最初のお手入れとして水を入れて煮沸し表面に酸化被膜をつける方法を品質表示に明記しております。これにより鍋肌の耐食性が向上するためです。
このページではその際の煮沸具合により酸化被膜色がどのようになるか画像付きで解説致します。
品質表示はアルミ地色の無色の酸化被膜をつけるための説明ですが、黒ずんだ(薄茶から濃茶褐色の)酸化被膜がついた場合もでもいずれも水酸化アルミニウムというアルマイトに似た酸化皮膜で『ベーマイト』といわれ人体に影響はございませんのでご安心ください。
《酸化被膜が黒ずんでしまった原因について》
水を煮沸させていく事により中性であった水の成分がアルカリ性を帯びてアルミ地肌についていた酸化被膜がはがれ新たに水酸化アルミニウムという皮膜を形成します。この皮膜が水分中のミネラルと複雑な化学反応を繰り返し黒く(濃茶)変色して見えるようになります。(水道水は主にカリウム ナトリウム カリウム マグネシウムというミネラルが含まれています。)
そして品質表示の最初のお手入れはこの水道水に野菜のクズを入れた状態で煮沸する事によりこの水酸化アルミニム被膜が無色(アルミ地色のまま)の状態で仕上げる事を明記しています。
黒ずんでいないキレイなアルミ地色の酸化被膜『ベーマイト』を推奨しお使い頂きたいという事です。
野菜に含まれる成分が鍋肌に、水道水に含まれるミネラル分との複雑な化学反応を抑え無色の酸化被膜をつけると考えられます。
今まではこれと同様な効果を油を入れる事によっても得られると考えられていました。
このたびユーザー様のご指摘を受け、弊社で再度、水道水のみ、油を入れた水道水、そして野菜くずを入れた水道水による煮沸実験を行いました。
下記画像をご参照ください。(酸化被膜A・B・C)さらに野菜くずの場合は煮沸過程の画像もご参照頂けます。
野菜による灰汁(あく)で水は茶色になっておりますが水を捨ててしまうと鍋肌は元の無色のままになっております。
何度行っても同様の結果が得られました。(煮沸させておりますので確実に酸化被膜はついております。)
しかしながら油で行った場合は結果にバラつがあり、水道水のみよりも黒ずんだ被膜がついてしまう場合もありました。
特に黒ずんだものを画像の酸化被膜Bとして上げてあります。
こうした以前の実験結果と異なる状況により、野菜くずによる煮沸方法が鍋肌への(水分中の)ミネラルの化学反応を抑え確実に透明な酸化被膜をつけるという結論に至り、現在品質表示は野菜くずによる煮沸のみを明記したものに改定させて頂きました。
野菜くずを入れて10分程沸騰させて状態。灰汁で水が茶色になっています。
水を捨てると元の無色の状態。元の水位線が分かるように捨てたままの状態で鍋肌は一切ふき取っていません。
また品質表示には最初の酸化被膜が黒ずんでしまった場合の除去方法が明記されています。
=画像と共にご確認ください=
①鍋の黒くなったところまで水を入れる
②輪切りにしたレモンを入れる
③15分ほど煮沸してください。
黒ずみが取れて元の地色に戻ります。
酸性値が高いクエン酸を入れても同様の結果が得られます。
またアルミ鍋は長期使用によりどうしても鍋肌が黒ずんできます。
こちらの対処法はその際も有効なお手入れ方法です。何度でもきれいな鍋肌を取り戻すことが出きます!